2021年11月26日
おいしく元気に旬野菜! ~パパイヤ~
~週刊GREEN Vol.141~
こんにちは!安心して手軽にお召し上がりいただけるカット野菜や、沖縄産野菜が主役の野菜スープ「菜・色・健・美BEAUTY SOUP」など、野菜の生産から加工までを手がける沖縄の農業法人(有)グリーンフィールドです。毎月最終週のこのコーナーでは、野菜ソムリエ上級プロの堀基子さんに、旬の野菜をおいしく健康的に楽しむ情報をご紹介いただきます。
「おいしく元気に旬野菜~野菜パパイヤ~」
こんにちは!野菜ソムリエ上級プロの堀基子です。
今回のテーマ野菜は、沖縄が誇る島野菜のひとつでもある野菜パパイヤです。
・熱帯アメリカ発、中国・台湾経由!?
パパイヤは熱帯アメリカ原産で、18世紀頃に中国から台湾を経て沖縄へ伝わったといわれています。トロピカルフルーツとしても有名ですが、沖縄では未熟なパパイヤを「野菜パパイヤ」「青パパイヤ」と呼び、野菜として食します。夏の猛暑や、夏野菜から秋冬野菜へと切り替わる端境期など、沖縄で野菜が品薄になる時期でも、ほぼ年間を通じて入手できるため、キッチンの強い味方です。
野菜パパイヤを使った沖縄の家庭料理といえば「パパヤーイリチー」です。イリチーとは炒め煮を意味し、スライサーで千切りにした野菜パパイヤ、にんじん、にら、ツナや豚肉などと炒め合わせ、かつおだしを加えて火を通します。大根のような食感とクセのない風味は、誰からも愛される優しい味わいです。
・ビタミンCやGABAも豊富!
野菜パパイヤ100g当たりに含まれる栄養素をチェックしてみると、免疫力の維持に欠かせないビタミンCは45mgで、なんと温州ミカンよりも多いのです。体内の余分な塩分の排出を助けるカリウムは190mg、食物繊維は2.2gと、いずれも意外と多く含まれています。さらに、リラックス効果で注目される天然アミノ酸GABA(ギャバ)も含まれています。
また、パパイヤの実を収穫する際、切り口から白い液体が出るため、沖縄では「母乳の出をよくする」といわれ、豚肉などと一緒に煮込んだ汁物を産後の母親に食べさせる習慣は、今も大切にされています。
ちなみに、野菜パパイヤには種があるものと無いものがあります。野菜パパイヤは雌株を中心に栽培されるため、受粉せずにできる果実には種が無いのだとか。野菜パパイヤは専用に改良された品種の他、トロピカルフルーツとして栽培される品種を青いうちに若採りする場合もあるそうです。
・野菜パパイヤの選び方&調理の裏技!
購入の際は、しっとりとした緑色で、ずっしりと重量感のあるものを選びましょう。
また、野菜パパイヤには、たんぱく質分解酵素パパインが豊富に含まれています。そのため、調理の際に手がかゆくなったり、かぶれることがありますので、調理後はすぐに手を洗いましょう。たんぱく質分解酵素パパインのパワーを上手に生かすなら、むいた野菜パパイヤの皮を捨てずに、肉料理の下ごしらえに使ってみてください。調理前の肉に、野菜パパイヤの皮をのせ、しばらく置いておくだけで、肉料理が柔らかく仕上がります。
ぜひ一度お試しくださいませね。
野菜ソムリエ上級プロ:堀 基子(ほり もとこ)さん